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「そばかすのフィギュア」

雨の檻 / カーマイン・レッド / セピアの迷彩 / そばかすのフィギュア / カトレアの真実 / お夏 清十郎 / ブルー・フライト / 月かげの古謡
デビュー作「ブルー・フライト」を始め、初期の作品を集めた短編集。
表題作「そばかすのフィギュア」は星雲賞を受賞しているそうです。
先日読んだSFマガジンの広告で見て気になった本。
表紙が優しい色遣いで素敵だなー、と思っていたら菊池健さんでした。納得。
加納朋子さんの本でも柔らかいタッチの素敵な絵を楽しませていただいたお人です。

SFってどうかな、と思いましたが、最初の「雨の檻」でガッツリ心を掴まれました。
新天地を求めた人類を乗せた世代間宇宙船で生まれたものの、隔離された無菌室で生活するシノと、唯一の友人で世話係であるロボットのフィーとのお話。
シノの心理描写は秀逸で、きっと誰もが彼女を応援したくなることでしょう。
そんなシノを世話することが至上命題というフィーの優しさも伝わってきます。
2人にとっては残酷としか言いようのない結末に、のっけから切なくなってしまいます。

表題作「そばかすのフィギュア」は、新作アニメのキャラコンテストで最優秀賞を受賞した靖子と、彼女の元に届いたフィギュアのお話です。
フィギュアは村娘のアーダで、そのキャラクターは靖子が自分を投影したものでした。
何かを作り出す時に自分の性格が反映されることってままあることだと思います。
そうやって生み出したキャラクターと、実際に話ができるというのがSFかなぁ、と。
キャラクターが感情を持って自在に動くわけですからね。
アーダの成長を見届けつつ、靖子も成長したのだと思います。

そんな中で「月かげの古謡」はファンタジー。
ロボットは登場しましたけど、SFではなくてファンタジーだと思います。
美しくて優しくもとても切ないお話でした。
いい読後感だったので、この著者の他の作品も読んでみたいと思いました。
| Book(2010) | 22:45 | comments(0) | trackbacks(0) |









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